夢小説(Short) | ナノ


ため息で幸せを  


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ため息で幸せを





ある日の放課後、幼馴染の里緒菜と一緒に帰っている途中。

数学のテストの成績がいまいちだった俺は、先程からため息ばかり吐いていた。

「…はぁ…」

すると。

ヒュッ

隣から、空気を勢いよく吸い込む音。

なんだ…?

「…はぁ…」

もう一度ため息。

ヒュッ

空気を吸い込む音。

彼女を見ると、何事も無かったかの様に歩いている。

気のせい、か…?

「…はぁ…」

もう一度ため息。

ヒュッ

空気を吸い込む音。


たまりかねて、俺は里緒菜に声をかけた。

「…あのさ、」

「ん?どしたの、慎吾?」

里緒菜が、俺の顔を振り仰ぐ。
「…さっきから何やってんの?俺がため息吐く度に。」

「だって、ため息吐くと幸せが逃げちゃうんだよ?もったいないじゃん!」

「もったいないってお前…」

「だから、私が吸ってるの!」


なんだそれ。
まぁ、天然の里緒菜らしいが…

「…疲れねぇか?それ」

「え、何で?」

「いや、いちいち吸ってたらさ。」

「あぁ〜…別に?」

「…そ」

「??」

それから、もう一つ。

「…こんだけ距離あんのにさ、俺の吐いたため息が吸えると思うか?」

「え?………あ」

「…馬鹿じゃねーの」

「…ばッ…馬鹿とは失礼なッ!!」

顔を真っ赤にして騒ぐ里緒菜。
「…ハイハイ。…それよりさ、」

「ん?」

強引に抱き寄せる。

「…直接吸ってみる?」

「…え」

返事も待たずに、俺は里緒菜の唇を奪った。





息が苦しくなるぐらい、長く。

いつまでも…いつまでも…





ため息で幸せを




(いくらでも、分けてやるよ)







後書き



おはようございます。
棗です。

『ため息で幸せを』
如何だったでしょうか。



らーぜもロクに描いてないクセに何故シンゴさん!?って気もしますが、
そこは全力で気にしない方向で。



この話、友人にメールで送ったら、

「いやーっ イヤラしんご!!」

って返ってきました。


失礼な!!
いやらしさはそこはかとなく抑えたつもりだ!!!←


きっとアレですね、
他の人がやったらカッコいいのに、シンゴさんがヤると変なフィルターがかかっちゃうんですよ!!!(なんだそれ)



シンゴさんは一時期何故かハマってました。

あ、今でも好きですよ、たぶん(←ぇ



ネタも尽きたので今回はこの辺で。


読んで下さりありがとうございました。


それではまた。




11.9.15 天方棗


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